大人のマナー講座 #20 「葬儀や法要に参列できないとき、どうしていますか?」

先日、親戚から法要の案内が来ていたのですが、残念ながら当日の参列が叶わなかったため、お線香を贈りました。このように、予定が合わない場合や健康面の不安などから、葬儀や法要に参列できない場合、お線香を贈られる方も少なくないかと思いますが、その際どのようなことに気をつけたら良いでしょうか?今月は、「お線香を贈る際のマナー」についてご紹介いたします。

そもそも、なぜご仏前にお線香をお供えするのでしょうか?

それは、仏様は食べ物を食べることができない代わりに、*香りを召し上がるため香りの良い線香を手向けることが良いこととされています。また、香りや煙は浄土への道しるべとも言われています。

*香りを召し上がることを香食(こうじき)といいます。

■タイミング

・訃報を聞いたとき:葬儀後~49日までの間

・初盆お見舞いを贈るとき:お盆の入りの1~2週間ほど前

・喪中はがきをいただいたとき:喪中はがき到着後~12月中旬まで

・法要のご案内をいただいたとき:法要の前日まで

■熨斗(のし)

進物用のお線香は包装をし、熨斗を掛けます。包装紙の内側に熨斗を掛けるものを「内熨斗」、包装紙の外側に熨斗を掛けることを「外熨斗」と言います。内熨斗は上品で控えめな印象を与えることができ、外熨斗はどなたから贈られたものかがすぐに分かるという特長があります。

【表書き】

・御霊前:四十九日前にお贈りする場合

・御仏前:もっとも一般的な表書きで、四十九日以降にお贈りする場合

・御供:時期や法要のタイミングを問わない

・新盆御見舞:新盆、初盆を迎えられる場合

・喪中御見舞:喪中はがきで訃報を知った場合

葬儀や法要でお線香を御供えするのは仏式のみで、神道やキリスト教ではお線香をお供えしません。神道であれば、ろうそくや海産物・酒類などの供物、キリスト教であれば生花をお贈りすると良いでしょう

■費用の目安

2,500円以内

関係性:しばらくお会いしていなかった方、あまり深いお付き合いがなかった方など

3,000円~5,000円

関係性:家族、親戚、友人、仕事でお世話になった方など

7,000円

関係性:生前大変お世話になった方など

いかがでしたか?最近は、葬儀を少ない参列者で執り行う方が増えているため、喪中はがきを受け取って初めて訃報を知る、ということも多くなってきました。葬儀は既に終わっており、御香典を贈ることで先方のご負担になってもいけないと気を揉んでいる方もいらっしゃると思います。そんなときにはぜひ、お線香を贈られてはいかがでしょうか。