大人のマナー講座 #11 「和室でのスマートな立ち居振る舞いとは?」

8月に入り、もうすぐお盆がやってきます。「去年は自粛したけど、今年は実家に帰省する」という方も多いのではないでしょうか。自分の実家では気兼ねなく過ごしたとしても、義実家や親戚のお宅では、身内とはいえ「親しき中にも礼儀あり」で、スマートな立ち居振る舞いで過ごせると素敵ですよね。

今回は「和室での歩き方」「床の間の注意点」「座布団の取り扱い」についてご紹介します。

まず「和室での歩き方」ですが、“敷居”と“畳の縁”を踏まないように心掛け、畳の上では、縦は5~6歩、横は3歩で歩くとスマートです。

敷居とは、戸・障子・襖などを受けている溝やレールのある横木のことですが、「敷居を踏むとその家が傾く」という言い伝えがあり、踏んではいけないとされています。また、畳の縁は畳を補強するためだけではなく、装飾としての役割もあります。そのため、家紋が入れられていることも多く、それを踏むことはその家の方やご先祖様の顔を踏むことになります。

次に「床の間の注意点」ですが、床の間はその家の方がお客様をおもてなしするために掛け軸やお花を活けている、いわば『芸術の空間』です。景色を遮らないよう、荷物などは床の間から離れた場所に置く、などの配慮が必要です。

最後に「座布団の取り扱い」ですが、座布団の上を歩いたり、踏んだりするのはNGです。

座布団には「お客様を敬い、もてなす」という意味が込められているため、「座布団を踏む」=「その家の方の『おもてなしの心』を踏みにじる」こととなってしまいます。また、座布団を持って部屋の中を移動することもマナー違反とされています。座布団があらかじめ置かれている場所は、その家の方が「どうぞここに座ってください」という意味を込めてそこに置いているからです。せっかくお招きくださった方のお気持ちを無下にしないためにも、座布団の取り扱いにも気を配りましょう。

最近は、自宅に和室があるお宅が少なくなっているため、和室に通された時に戸惑う方が多いようです。お子様やお孫様と和室で過ごす機会があれば、和室でのマナーについて教えてみてはいかがでしょうか。