大人のマナー講座 #21 「冠婚葬祭の受付でのスマートな振る舞いとは?」

6月はジューンブライド。「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」というヨーロッパの古い言い伝えが日本にも広まり、この時期に結婚式を挙げられる方が多いようです。

日本では、招待客は結婚式場に着くと、受付でご祝儀を渡して記帳をする、というスタイルがほとんどではないでしょうか。この時の「ご祝儀を渡す」という所作にも、マナーがあることをご存じですか?

よく目にするのが、「袱紗(ふくさ)からご祝儀袋を出し、ご祝儀袋のみを受付の方に差し出す」という所作ですが、「せっかく袱紗をお持ちなのに、もったいない!」と思ってしまいます。

それでは、どのように袱紗を活用したら良いのでしょうか?

正解は、袱紗を『名刺交換の際の名刺入れのように扱う』です。

袱紗の種類は大きく分けて「包むタイプ」と「挟むタイプ」の2つがあります。

包むタイプの袱紗には、「風呂敷タイプ」「爪付きタイプ」「台付きタイプ」があり、爪と台がどちらもついているものもあります。

挟むタイプの袱紗は、ポケットがついたもので「金封袱紗」と呼ばれています。

今回は、金封袱紗での渡し方をご紹介します。

  1. 左手で金封袱紗を持ち、右手で袱紗を開いてご祝儀袋を取り出す
  2. 袱紗を閉じ、その上にご祝儀袋を自分側に向けて載せる
  3. 時計回りに袱紗ごと180度回転させ、ご祝儀袋を少しお相手側にスライドさせ、お相手が取りやすいようにしてお渡しする

※結婚式に限らず、お祝いのパーティーなどの慶事は全てこの所作です

このような袱紗の使い方は、弔事の場合も同じです。ただ、弔事の場合は、上記1での手の右と左を置き換え、反時計回りにしてお渡しします。

また、慶事での袱紗の色は暖色系(赤、ピンク、オレンジ、黄色、金など)、弔事では寒色系(深緑、ブルーグレー、紺、グレーなど)がふさわしいとされています。紫は慶事・弔事どちらでもふさわしいとされていますので、1つ持っていると便利です。

慶事や弔事は非日常の出来事ですので、所作を練習する機会も少ないかと思います。

いざという時に慌てないためにも、おうち時間にぜひ練習されてみてはいかがでしょうか。