大人のマナー講座 #23 「あなたの傘の持ち方、周囲に迷惑をかけていませんか?」

わたしたちが何気なく使っている「傘」ですが、往来が多い場所や電車の中など“公共の場所”で自分よがりな傘の持ち方をしている人を時々見かけることがあり、ドキッとすることがあります。
皆さんは、普段、自分がどんな風に傘を持って歩いているか、振り返ったことはありますか?今月は、無意識に行っている傘の持ち方と、身につけたい傘のマナーについてご紹介します。

【持ち方】

傘が地面と平行になるように「横持ち」をする人を時々見かけます。
横持ちをした方がバランスが良いので、無意識のうちにしている方もいるかもしれませんが実はこれ、真後ろを歩いている人からしたら結構危ない持ち方なのです。

ラッシュ時の駅のホームや都心など、人が多い場所だと前後の間隔を詰めて歩かないといけない場合も多く、そういう時に傘の横持ちをされてしまうと、傘の先端にぶつからないように歩く配慮も必要になります。また、過去には階段の後ろを歩いていたお子さんの目を刺してしまったという事故も発生しており、非常に危険です。

【差し方】

隣の人の「傘の骨の先端部分が体や顔に当たった」という経験はありませんか?雨の日は周りの人も自分も傘を差しているので比較的当たりにくいのですが、日傘の場合は皆が差しているわけではなく、また、目深に差しがちですので、特に周囲への配慮が大切です。

雨傘・日傘のどちらの場合も、「先端を斜め下に向けたまま開く」と周りの人に当たりにくいため、おすすめです。雨傘を差している時に人とすれ違う時は、「相手と逆側に傘をかしげて、ぶつからないようにする」、日傘を差している時に混雑エリアを通る際は「日傘を閉じて帽子などをかぶるようにする」など、ちょっとした工夫で周囲も自分も心地よく過ごすことができます。

【閉じ方】

傘を閉じる際はどうでしょうか?「傘を下に降ろしながら閉じる」方が多いように感じます。この閉じ方ですと、傘を降ろす方向が自分にとって死角となる、かつ、傘の先端を周囲に振りかざすことになるため、大変危険です。「上で少しすぼめて、周囲を確認し、下で閉じる」と、事故を未然に防ぐことが出来ます。

 

【水滴の落とし方】

雨の日にビルの入り口などで、「傘を開閉・回転させて水滴を飛ばす」方もよく見かけます。自分では周囲に気を遣いながらしているつもりでも、意外と広範囲に水滴が飛びますので、注意が必要です。おすすめのやり方は、「傘を閉じた後、自分の足元でトントンと軽く上下させる」です。

最近では、建物入口に【傘立て・水滴取り機・ビニール袋】が設置されていることも多いため、「傘を閉じたらそのままそちらを利用する」とスマートです。

【乗り物の中】

バスや電車の中などで注意したいのは、「ベルトを留め、周りの人に傘が当たらないよう、なるべく体の正面で持つ」ことです。特に、雨天時の混雑している車内だと、水滴で周囲の方のお洋服を濡らしてしまいますので、配慮したいところです。

傘を手首に掛けて持つ場合、「手首の『外側』から傘の柄を掛ける」と先端が自分側に向きますので、おすすめです。

いかがでしたか?普段何気なく持ったり、差したりしている傘ですが、嫌な思いをされたご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近は老若男女問わず、自転車に乗りながら、スマホを見ながら、雨傘や日傘を差していらっしゃる方を多く見かけます。ちょっとした気遣いで皆が気持ちよく過ごすことができ、事故やトラブルにも巻き込まれることも回避できますので、ぜひ傘をお持ちになる際は実践されてみてください。