大人のマナー講座 #24 「正しい敬語、遣えていますか?」 ③「~になります」編
【飲食店】
「ハンバーグになります」「○円になります」「こちらクーポンになります」
【商談】
「こちらが資料になります」「担当者の○○になります」「次回の打合せは○月○日になります」
ビジネスシーンでも街中でも、最近よく耳にする「~になります」ですが、上記の遣い方は誤りです。そもそも、「~になります」とはどういう意味なのでしょうか?今月は「~になります」の正しい遣い方についてご紹介いたします。
「なる」とは、「事物が新たな形をとって現れる」「前の状態から別の状態に移る」際に遣う言葉です。冒頭の例ですと、飲食店で
客 「ハンバーグ1つお願いします」
店員 パスタを持ってきて「ハンバーグになります」
客 「え???」
店員 パスタに布をかぶせて「3、2、1!」
~パスタがハンバーグに変わっている~
客 「うわー!すごい手品ですね!!」
というシーンであれば、パスタがハンバーグに変化したわけですから、正しい遣い方がなされています。ですが、私たちが日常的に耳にする場合は、ハンバーグを頼んでハンバーグを持ってくる時ですよね。
冒頭の例文では、
「ハンバーグです」「○円です」「こちらクーポンです」
「こちらが資料です」「担当者の○○です」「次回の打合せは○月○日です」
が正しい言い回しで、さらに丁寧に言いたければ「です」を「でございます」に言い換えればよいのですが、いつからか、「です」の上の敬語が「~になります」と誤って認識されているようです。
いかがでしたか?「無意識に誤用していたかも」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。5月と6月に「~させていただく」「~ますでしょうか」について書きましたが、それらと同じぐらい耳にする頻度が高い言葉ですので、誤用とご存じない方もいらっしゃるかもしれません。言い慣れ過ぎていると、なかなか正しい言い回しに変えるのは難しいですが、まずは他の方が誤用された際に「あの人間違ってるな」と気づく、自分がつい口に出してしまった際に「今間違ってしまったな」と気づく、など意識的にセンサーを働かせるところから始めてはいかがでしょうか。