大人のマナー講座 #10 「粋な大人は懐紙で魅せる?」

皆さんは「懐紙(かいし)」と聞くと、どこで使うもののイメージをお持ちですか?多くの方が「お茶席」を思い浮かべられるのではないでしょうか。お茶を嗜む方にしかご縁がないようなイメージを持たれがちの懐紙ですが、実は日常的に使える「万能なバッグのお供」なのです。今月は「日常生活の中で懐紙を使える場面」についてご紹介いたします。

「懐紙」を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんが、懐紙とは「和紙を二つ折(手のひらサイズぐらい)にしたもの」です。日本人が着物で生活していた時代、人々は懐にこの和紙を入れて持ち歩いていたことから「懐紙」と呼ばれるようになったと言われています。

現代の私たちの日常生活の中で懐紙が使える場面として、以下ご紹介いたします。

  • 食事(和食)の席

会席料理のお店に行かれる際に、懐紙を持っていかれると便利です。席に着いたら、膝の上かテーブルの脇に置き、使う際に1枚ずつ取り、輪(懐紙を折り返している方)を自分の方に向けて使います。会席料理のお店でも、洋食のお店のようにナプキンが準備されていることがあります。その場合は、お店が準備しているナプキンを使うことがマナーです。なぜなら、「あなたのお店のナプキンは汚くて使えません」という意思表示になってしまうからです。懐紙を使うシーンとしては、

・料理を口に運ぶとき

→手皿が上品だと認識されている方もいらっしゃいますが、実は手皿はマナー違反。

料理をお皿から口に運ぶまで不安な場合は、取り皿を受け皿として口元まで持っていくことがマナーとされています。(和食のみ)

「お皿を持つのは重たい」と感じる方は、懐紙を使われると見た目が美しいです。

・焼き魚の中骨を外すとき

→魚の頭を押さえる際、懐紙を使うと手が汚れずスマートです。食べ終わった後の骨が見苦しく感じる場合は、お皿の上に懐紙をかぶせておくと気になりません。

・口元、グラスの汚れを取るとき

→おしぼりは本来「手を拭く物」ですので、手以外の汚れを取る際に懐紙を使うとよろしいでしょう。

  • オフィス

お土産でいただいた個包装でないお菓子を社内で分ける際、ティッシュを敷いて配るより、懐紙に載せてお配りすると品があり、皆様喜ばれると思います。

  • 外出先

・ハンカチやティッシュ代わりに汗や手を拭く

・お化粧直しの際にあぶらをとったり、口紅をおさえる

・ちょっとしたメモをとる

・急に心づけを渡す際のポチ袋としてお金を包む

・立食パーティーなどで自分のグラスの下に敷き、目印にする

いかがでしたか?実は懐紙は色々な場面で使うことが出来る万能アイテムなのです。最近は無地のものからお花や動物の柄などバラエティに富んでいますし、懐紙入れもオシャレなものが多く売られています。男女問わず使えるものですので、ぜひティッシュ代わりに懐紙を持ち歩き、「粋な大人」を目指してみませんか?