大人のマナー講座 #4 「和食のマナーとは?」
お正月休みも終わり、ようやく日常の生活に体も慣れてこられた頃でしょうか。お正月の間には、おせち料理やお年玉など、日本の伝統的な食事や慣習に触れる機会が多かったと思います。生活スタイルが西洋化し、「洋」の方が身近になっている私たちですが、今月は「和食のマナー」についてご紹介いたします。
まずは基本の心構えについてです。礼法の言葉に「共に和していただく」という言葉があります。これは「食を共にして楽しむ」ということです。度々中座をすることは失礼にもなりますので、食事の前にお手洗いを済ませ、携帯電話の電源は切るか、マナーモードに必ずしましょう。食事のお相手に気を遣わせるのはマナー違反です。
また、「懐石料理」と「会席料理」の違いをご存じでしょうか。どちらも「かいせきりょうり」と読みますが、実は全く異なるものなのです。
■懐石料理
・茶道から生まれており、「お茶」を嗜むためにいただく食事
・一汁三菜を基本とし、ご飯と汁物は食事の「最初」に出てくる
・侘び・寂びを料理として表現している
・現在の和食のマナーにも深く密接している
■会席料理
・宴席にてもてなされる食事で、「お酒」を嗜むためにいただく食事
・一汁三菜を基本とし、ご飯と汁物は食事の「最後」に出てくる
・今日の改まった和食としての一般的な料理形式
<一般的な会席料理の流れ>
1.先付(さきづけ):前菜のこと。椀や小鉢は持ち上げていただく。
2.椀物(わんもの):吸い物のこと
3.向付(むこうづけ):お造りのこと。白身魚、貝類、赤身魚の順でいただく。
4.鉢魚(はちざかな):焼き物、焼き魚のこと
5.強肴(しいざかな):煮物、揚げ物、茶わん蒸しなどのこと
6.ご飯、留め椀、香の物:留め椀は汁物のこと、香の物は漬物のこと。
※お酒はここまで
8.水菓子、甘味:デザートのこと
どちらも改まった場でいただくことが多い料理ですので、改めて、箸のマナーや、焼き魚の食べ方のマナー、お椀の開け方などを事前にチェックしておくと安心です。