大人のマナー講座 #26 「訪問時のコート、いつ脱いでいますか?」

だいぶ気温も低くなり、コートの出番が多い季節となりました。仕事でお取引先にお伺いするとき、ご友人のお宅にお邪魔するときなど、皆さんはどのタイミングでコートを脱いでいらっしゃいますか?会社なら、受付、エレベーターホール?個人宅なら、玄関や部屋の中?

いずれの場所も「間違い」です。今月は、訪問時にコートを脱ぐ場所とコートの畳み方についてご紹介します。

コートを脱ぐ正しい場所は、「その建物に入る前」です。ビルやマンションであれば「エントランスに入る前」で、個人宅であれば「玄関の外」です。マフラーや手袋もこのタイミングで外します。個人宅では、インターホンを鳴らす前に脱いでおくと、出迎えてくださったお相手をお待たせしません。

では、脱いだコートはどのように持っていらっしゃいますか?脱いでそのまま手に持ったり、腕にかけたりしていてはスマートさに欠けてしまいます。

【正しいコートの畳み方】

  1. コートの両肩の部分に内側から手を入れる
  2. 内側が外側に来るように、くるりと折り返す
  3. このとき、前身ごろと後身ごろがぴったりと来るようにする
  4. 持ちやすいように上下半分にして、腕にかける

ポイントは2の「内側が外側に来るように」という部分です。その理由としては、2つあります。

まず1つ目は、外気の汚れを室内に持ち込まないよう配慮するためです。訪問時には外から中に入るわけですが、外気中には目に見えないホコリや花粉などがたくさん浮遊しています。そのため、外側を内側に折り畳むことにより、それらを先方の室内にできるだけ入れないようにする、というお相手への心配りです。

2つ目は、表地が汚れないようにするためです。訪問先で出されたお茶や食べ物を、持ち込んだコートにこぼしてしまう、などのハプニングが発生する可能性もゼロではありません。内側に畳んでおくことで、もしもの時のダメージが最小限に抑えられるのです。

いかがでしたか?これから更に寒くなってくると、ダウンコートなど厚手の生地のコートを着られる方も多いかもしれません。ですが、生地が厚いものだと畳みにくい場合があります。その点も考慮して、その日どこかに訪問する予定がある場合は、トレンチコートなど薄手のコートを着るようにする、など予定に合わせた服選びが出来ると素敵ですね。